アフガニスタン料理店

去年訪れておいしかったラージパトナガルのイラン料理店でランチを食べようと思い、行ってみたけど、気づかず通り過ぎてしまいました。戻りながら、今度は注意深く探してみると、どうも、イラン料理店だった場所は、洗濯機や冷蔵庫を売っている白物家電のお店に変わっていました。残念!
念のため、となりのお店のおじさんに聞いてみると、たしかにここは前はイラーニーレストランだったけど、なくなってしまったよ、イランとかアフガンの料理店ならあっちに何軒かあるよ。っということで、ひとつ向こうの通りにあるとのこと。すっかりと、イラン料理を食べる気分になっていたので、他の選択は考えられず、人に訊きながら探してみることにしました。
道々数人に尋ねると、いずれもあっちの方と即答だったので、地元の人にも知られているようです。しっかりと確認は取れてないですが、イラーニーとアフガーニーのレストランは、地元の人、つまりインド人には同じカテゴリーに入っている様子がありました。

「AfghanDarbarRestaurant」(LajpatNagar)2012年2月

みつけました!でも、なかを覗くと、お店の中の人々(大きくて濃いおじさん達・・)が全員でこちらを見つめてくるという濃ゆいお店・・思わず一旦通り過ぎます・・・。少し先にももう一軒別のアフガンレストランの看板もみかけました。
しかし、あの客層でほぼ満席の様子からいって、絶対に美味しい、または食べる価値があるのは間違いない!食いしん坊スカウターが振り切れて、お腹がぢんぢんします。そこで、ひとまず、カウンターでメニューを見せてもらいながら、店内を観察して、座れそうなら座る、やっぱり無理そうだったら、テイクアウェイを検討してみる、ということで入店しました。
入ってみると、奥には1テーブルぶんだけ座敷になっているところもあって、そこで4人の大柄なおじさんがこちらを見つめながら食事してます。ドキドキ。しかし、よくみると、家族連れもいて、ちょうどそばに空席もありました。着座。
座ってみると、アフガン人(とおもわれる)人々でいっぱいなだけの、普通(?)のレストランです。家族連れの女性陣は、一口ごとにベールをめくって食べているようです(店内の様子を観察するのは、壁側に座った同行者の仕事)。
メニューは、コールマーやプラーオがあり、カラーイーや各種カバーブなどもあって、そのへんのインド料理店と一見変わらない顔ぶれがならんでいます。また、マントゥーなんていうニセ中華っぽいのもあって、ちょっと肩の力が抜けるとともに、ちゃんとアフガン料理が食べられるのか、少し心配になりました。
オーダーを取りにきた人に、コールマーってその辺のインドのとおなじのなの?、スペシャルなおすすめのとかないの?とかいろいろ訊いてみると、コールマーはアフガニースタイルでインドのものとは違うし、おすすめは・・うーん、やっぱりプラーオかな、この一番上のカーブリーウズベーキーてのが具が多くて一番上等だよっと教えてくれました。横目でとなりのテーブルを見ると、大盛りのプラーオはやはり間違いなく旨そうです。


マトンコールマーと、付け合せでついてきたオクラのカレー(?)。

うん!このコールマーはその辺のインドのものとは全く違って、トマトが主体でまろやかなものでした。「その辺のインドのもの」とは、デリーで一般的な、ムガライ系のイスラムなコールマーや、パンジャービーなコールマーをイメージしてます。それらが、スパイスを際立たせて、クリームやヨーグルトをふんだんに使って、「美味しい」を作りあげているのに対して、このアフガンスタイルのは、トマト味にマトンの甘い旨みが絡んでいて、わずかにスパイスが香っているという、大変上品なものでした。あー美味しい。お肉はふわふわでとろけます。
オクラのほうもツルッとサラっとうまいです。


ヤクニームルグ、メニューにはアフガニー伝統のチキンショールバー(スープ)と説明書きがありました。

美味しいチキンスープです。スパイス使いも優しい。スパイスが少ないので、例えば韓国の肉スープを食べているような感じでした。ご飯をひたしてしゃぶしゃぶ食べるとまたうまい。


ヤクニーについてきた、揚げたナスにヨーグルトソースがかかってるやつ。

これは、なんて名前か尋ねてみたけど、バェーガン(茄子)だよ言われたのみで、うまく料理名を訊けませんでした。。しかし、帰ってググってみると、ブラニ・バンジャンというアフガニスタンの定番料理のようでした。ナスがとろっとして、衣にソースが染みていて、うまい!!口の中でとろっと消えていきます。


カーブリーウズベーキー、具だくさんのプラーオです。

赤いのはニンジンで、よくオイルと馴染んでいて、柔らかく甘くなっています。加熱されたレーズンがぷっくりとふくらんでいて、ライスのなかにはマトンが隠れています。塩とスパイスは控えめで、薄味でさっぱり。しかし、オイルをふんだんに使っていて、ジューシーな食べ味です。他の料理もそうでしたが、さらりとしたオイルがたっぷりと使われていて、オイルたっぷりなんだけど、さっぱりしていました。美味しいオリーブオイルをいっぱい使ったイタリアン、オイル系のパスタみたいなイメージです。


アフガンスタイルのナーン。

これも帰ってググったら、オビノン(Obi Non)とかナーネウズベキー(naan-e-uzbeki)とか呼ばれているもののようです。円形で普通のナーンよりも厚く、スタンプで模様がつけられているのが特徴で、クレイオーブン(タンドゥーリー)で焼かれるとのこと。まさにこれ。

そして、このパンが本当にうまかった。表面はぱりっとしてて、中は乾燥しておらず、生地に方向性があり、噛みしめるほどに小麦の旨みと香りがひろがる・・。正直このパンだけで1枚食えそうだった。。ご飯(主食)が美味しいお店にハズレ無し。


プラーオのネーミングや、パンのスタイルから、アフガニスタンでもウズベク系のレストランなんでしょうか。興味深いです。となってくれば、デリー内でも他のアフガン料理店にいけば、また違ったスタイルのものが食べられるのかな(^o^)

あと、マントゥーをニセ中華などと書いてしまったけど、これも調べるとアフガニスタンの定番料理とのこと!次回は是非試してみたいところです。それから、おじさんたちが飲んでいた、緑茶みたいなお茶も気になります。